ボイジャーはいまどこ?現在地と距離の調べ方

リード文

1970年代に打ち上げられたボイジャー1号・2号は、人類が作った探査機の中で最も遠くまで到達した存在です。すでに太陽圏(ヘリオポーズ)を抜けて恒星間空間を飛行していますが、「今まさにどこにいるのか」は日々変化し続けています。この記事では、現在の距離感の目安、通信にかかる時間、そして自分で最新位置を確認する方法を紹介します。

ボイジャー1号・2号は今どこにいるのか

2026年半ば時点の数字を並べると、こうなります(1AU=地球と太陽の距離、約1億5000万km)。

ボイジャー1号 ボイジャー2号
地球からの距離 約170AU(約254億km) 約142.5AU(約213億km)
速度 時速約12.9万km 時速約10.5万km
片道の通信時間 約23.5時間 約19.75時間

ただしこの数値は、両機が時速10万km超で飛び続けているため、記事を書いている時点と読んでいる時点でもズレが生じます。目安として捉え、正確な値が必要なら後述する公式ページで確認してください。

2026年11月18日、1号が「1光日」に到達する

いま特筆すべき出来事が近づいています。NASAの計算によれば、2026年11月18日、ボイジャー1号は地球から1光日の距離に達します。光の速さで進む電波が、届くのに丸24時間かかる距離という意味です。距離にして約173.14AU、約259億km。

1977年の打ち上げから約49年かけて、人類はようやくここまで物を届けたことになります。ちなみにボイジャー2号が同じ距離に達するのは2035年11月の見込みです。

両機はすでに太陽圏の境界であるヘリオポーズを通過し、恒星間空間(星と星の間の空間)に入っていると考えられています。ボイジャー1号は2012年頃、2号は2018年頃にこの境界を越えたとされています。ただし「恒星間空間に入った」といっても、まだ太陽の重力の影響を受ける範囲(オールトの雲を含む太陽系全体)を抜けたわけではない点には注意が必要です。太陽系を完全に離れるまでには、この先も数万年単位の時間がかかると考えられています。

通信にかかる時間と今後の運用

これほど遠くにいるため、地球との通信には非常に長い時間がかかります。ボイジャー1号との通信は片道でおよそ23.5時間、往復では2日近くを要する計算になります。電波は光の速さで届くとはいえ、距離そのものが桁違いなのです。

電力は太陽電池ではなく、プルトニウム238の崩壊熱を利用する原子力電池(RTG)でまかなわれています。打ち上げから半世紀近くが経過し出力は年々低下しているため、NASAは観測機器を一つずつ停止させながら、限られた電力で主要な機能を維持する運用を続けています。すべての機器がいつまで動き続けるかは断定できませんが、2020年代を通じて段階的な機器停止のニュースが伝えられており、今後も同様の対応が続くとみられます。

リアルタイムで現在地を確認する方法

「今まさにどのくらいの距離にいるのか」を知りたい場合は、NASAジェット推進研究所(JPL)が公開している「Voyager - Mission Status」のようなページで、ほぼリアルタイムに近い距離や通信の状態を確認できます。こうした公式情報は英語表記が中心ですが、数字(距離・速度・通信時間)を見るだけでも十分に現在地の感覚がつかめます。ニュースサイトやSNSで紹介される「現在の距離」も、多くはこうした公式データを基にしています。数値を引用する際は、更新日時が古くないかを確認する習慣をつけておくと安心です。

おすすめアイテム

太陽系の彼方を飛び続けるボイジャーの話は、宇宙空間に散らばる人工物という点で、軌道上のデブリ(宇宙ゴミ)問題を描いた作品ともどこか通じるものがあります。そんな視点から手に取りたいのがプラネテス 全4巻 完結セットです。作中で描かれるデブリ回収の仕事や宇宙で働く人々の姿はフィクションですが、現実の宇宙開発が抱える課題(デブリ、通信の遅延、資源の制約など)を考えるきっかけになります。まとめて読める完結セットなので、じっくり腰を据えて宇宙の物語に浸りたい方の参考になるはずです。

まとめ

  • 2026年半ば時点で1号は約170AU(約254億km)、2号は約142.5AU(約213億km)。どちらも恒星間空間を飛行中
  • 2026年11月18日、1号は地球から1光日(電波が届くのに丸24時間)の距離に達する
  • 通信は1号で片道約23.5時間かかり、電力もRTGの劣化により限られてきている
  • 正確な現在地はNASAの公式ページで随時更新されており、数値を引用する際は更新日時の確認が大切

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